ピアノ修理記録

神奈川県座間市ひばりが丘にあるピアノハウスジャパンの修理工場スズキピアノサービスセンターは創業40年超。世界中の様々なピアノを修理してまいりました。 これからピアノ修理をご検討いただきます皆様に、ピアノ修理とはどのようなものかご理解いただくため、以下に修理写真の一部を公開いたします。

普段はなかなか見られないピアノの内部や、国内ではなかなかお目にかかれない珍しいピアノの写真もございます。 どうぞお楽しみください。

Carl Dörr(カール・デール) 1910年頃製造

カール・デールは音楽のメッカ、オーストリア・ウィーンのピアノ・メーカーです。1817年創業。

現在は製造されておらず、国内は大変希少価値の高いピアノです。ウィーン製のピアノといえば、真っ先に思い起こされるのはベーゼンドルファー(1828年創業)だと思いますが、カールデールも大変繊細で美しい響きをもつピアノです。

現在はお買い上げいただき、お客様のお宅にあります。このような希少価値の高いピアノもリビルド修理いたしております。

【修理内容:リビルド(オーバーホール)修理】

外装全塗装、フレーム、響鳴板の修理・調整・再塗装、全弦張替、ピン板交換、ハンマー・アッセンブリ交換、ウィペン・アッセンブリ交換、ダンパーフェルト総張替、アクション再調整、その他摩耗部品(フェルト・クロス等)交換・調律・整音

ピアノ修理前の状態

1910年頃製造カール・デールのロゴ。

カール・デールのロゴ。「Dörr」だと思います。

1910年頃製造カール・デールの鍵盤。

正面から。朽ちた鍵盤。ひび割れた塗装。

1910年頃製造カール・デールの響鳴板ロゴ。

響鳴板のロゴ。時代が感じられる凝った装飾付です。

1910年頃製造カール・デールの響鳴板。

脱弦直後の響鳴板。長・短駒の配置がよくわかります。

1910年頃製造カール・デールの鍵盤および鍵盤筬。

半分鍵盤を外した状態の鍵盤筬。100年前の埃も?

1910年頃製造カール・デールの鍵盤横から。

手作りでも鍵盤は整然と。

1910年頃製造カール・デールの鍵盤筬。裏から。

カール・デールの鍵盤筬。裏から。現代のピアノとは少し違います。

1910年頃製造カール・デールの鍵盤筬。表から。

ピアノ修理プロセス

1910年頃製造カール・デールの本体を裏側から撮影。支柱の構造も現代的なピアノとは異なります。

本体を裏側から。支柱の構造も独特。

1910年頃製造カール・デール。新規に導入したピン板を加工しています。

新規に導入したピン板を加工しています。

1910年頃製造カール・デール。ピン板をフレームに合わせて加工しています。

フレームの形状に合わせてピン板を削ります。

1910年頃製造カール・デール。フレームを裏側から撮影。この状態でベアリングの形状を整えます。ベアリングの形状は音色を決める重要な要素。同時に断弦の確立や雑音を軽減することも狙いです。

フレームの裏側。ベアリングの整形作業のため。

1910年頃製造カール・デール。響鳴板の再塗装。

響鳴板の再塗装。

1910年頃製造カール・デール。フレームを響鳴板に乗せる作業。一見簡単に見えますが、音の伸びや響きに大変に影響する重要な作業です。

フレームを本体に乗せる作業。載せ方一つで響きが変わります。

その他のピアノについても随時写真を掲載していきますので、お楽しみに。


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